誕生色(10月ver)
≪詳細≫
月1で読めるもので誕生石のような有名なものではない何かを書きたいと思って
書きました。
およそ5~10分くらいになります。
人称変更可
語尾改変可
≪関連作品≫
『誕生色シリーズ』※全12話
≪あらすじ≫
ここは少し変わったお店のよう…
さて、あなたは何をお探し?
≪登場人物≫
店の店主の一人語りで、お客様目線も少しあります。
お声は変えても変えなくても大丈夫です。
絵本を読むようなイメージで読んで頂ければと思います。
≪ 色というのは、私たちにとって、様々な印象を与える欠かせないもの ≫
誕生色(たんじょうしょく)
それは、バースデーカラーとも言うが
誕生日ごとに定められたラッキーカラーのこと。
誕生石や誕生花などより、知名度はないかもしれない。
でも、ちゃんと366日すべてに決められていて、占いでも用いられる。
ここは、そんな色とそれにちなんだ物を取り扱う不思議なお店。
今月はハロウィンの時期ということもあって、ランタンやお菓子をイメージしている方が多いんですよね。
秋に入り、見頃の花などもたくさんあるんですけどね…
え?どうしてそんなに寂しそうなのか?
寂しいというか、もったいないという気持ちになるんですよ。
少し涼しくなって、ゆっくり色々と考えられるような季節なのに、イベントに負けてしまっているような気がして…
こんな時は…お店を休んで、ちょっとお出掛けでもしたくなります。
まぁ、そんなことしたら、色々とこの先が滞ってしまうので、しませんけどね。
さて、お仕事を始めましょうか。
…おや?珍しいお客様…というより来客ですね。
「今日はどうされたんですか?」
声を掛けたのは、同じくちょっと変わったお店をやっている方です。
私の問いかけに『イメージの回収に』と一言答えます。
「なるほど…行き詰っているんですね」
この方は、生者の方へ言葉を届けるお仕事をなさっているんです。
言葉は言霊となって、人の心に届きます。
「今回は、どのようなイメージをお探しなのですか?」
切なく、暖かい…
確かに、よく人が求めるお題だからこそ、重なってはいけないし、難しいですね。
「では、想紫苑(おもわれしおん)を題材にするのは、いかがでしょうか?」
想紫苑は、その名の通り、日本の伝統色である“紫苑色(しおんいろ)”に“想(おも)”を組み合わせた造語で、秋の野に咲き乱れる桔梗と紫苑の花の色。
色見は、青が少し入った品の良い紫色で、上品な色合いになっています。
紫苑(シオン)の花自体は、10月頃に咲く薄紫色のキク科の植物で、その花言葉に【追憶】【君を忘れない】【遠くの人を想う】などがあります。
「桔梗と紫苑の花言葉を組み合わせれば、いい言葉ができるんじゃないですか?」
私の言葉に、何か思いついたようで、お店を出ていかれました。
ん?今回のお代ですか?
あの方は…こちらもよくお世話になっているので、相殺ということで。
え?どの辺がお世話になっているか?
それはもちろん、宣伝ですよ(楽しそうに)
さてさて、次は、どんな方へどんなお色にちなんだものをおすすめ出来るでしょう。
(少し間をあけて)
色にお困りの方は…そんなに多くはないかもしれませんが
ぜひ、当店をご利用くださいませ。
きっと、お役に立てると思いますよ。
何せ、最初に申し上げた通り、誕生日にも色はございますので。
今回は、お代は頂きませんでしたが…
行き詰った時は、縁のある所へ、助けを求めるものです。
それは、生者でも死者でも変わりません。
でも、ご来店だけなら問題はありませんから、いつでもお越しくださいませ。
またのご来店、おまちしております。
(おわり)
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