誕生色(7月ver)


≪詳細≫

月1で読めるもので誕生石のような有名なものではない何かを書きたいと思って

書きました。

およそ10分くらいになります。

人称変更可

語尾改変可


≪関連作品≫

『誕生色シリーズ』※全12話


≪あらすじ≫

ここは少し変わったお店のよう…

さて、あなたは何をお探し?


≪登場人物≫

店の店主の一人語りで、お客様目線も少しあります。

お声は変えても変えなくても大丈夫です。

絵本を読むようなイメージで読んで頂ければと思います。


≪ 色というのは、私たちにとって、様々な印象を与える欠かせないもの ≫



誕生色(たんじょうしょく)

それは、バースデーカラーとも言うが

誕生日ごとに定められたラッキーカラーのこと。


誕生石や誕生花などより、知名度はないかもしれない。

でも、ちゃんと366日すべてに決められていて、占いでも用いられる。


ここは、そんな色とそれにちなんだ物を取り扱う不思議なお店。



今月は梅雨のイメージから一転、夏の季節ですからね。

本格的な夏の前ということもあり“初夏”という言い方もしますが。

何より、有名なイベントと言えば、七夕ですよね。

なので、デザインとしては、星座や星の形が人気です。


ほら、あそこにも…


「お客様、いらっしゃいませ。どのような商品をお探しですか?」


可愛らしい女の子が、きょろきょろとしているのを見つけていた私は声を掛けました。

すると、その子は彦星様に贈り物をするというのです。


「彦星様ですか。それはまた…」


まさかの贈り相手に、少々困りました。

なぜ、困るのか?むしろ、なぜ困らないと思っているのか…

ですが、このお店には、このような方もいらっしゃるのです。

何せ、特別なお店ですから。


「彦星様には、毎年何かプレゼントしているのですか?」


私がそう尋ねると、織姫様にも渡せるようなものをプレゼントしているとのこと。

それも星関連が多く、そろそろ違うものを渡したいと思ったのだそう。

そういう事情で、当店を選んでいただけるのは光栄なことですね。


「では、咲初小藤(さきそめこふじ)の染め物など、いかがでしょうか。

 初夏の日差しに輝く紫露草の色で、色合いとしては透き通るような淡い紫色となっています。

 当店には、着物から小物まで何でも揃っていますので、ぜひ、ご覧になってください。」


そう伝えて、売り場に案内する。

和の色のもの、というよりは、和雑貨と呼ばれるものをまとめている売り場になるので、色はこちらで補正することになります。


しばらくして、お客様は、咲初小藤の帯紐と夜空のようなデザインの帯留めをお選びになりました。

和装以外に合うのかは、分かりませんが…

そのうち、彦星様と織姫様が、和装されることもあるかもしれませんからね。



お代ですか?今回は、贈る相手が相手なので、いつもより多くいただきました。

天の偉い方を相手にするのは、色々大変ですから。



さてさて、次は、どんな方へどんなお色にちなんだものをおすすめ出来るでしょう。




(少し間をあけて)




色にお困りの方は…そんなに多くはないかもしれませんが

ぜひ、当店をご利用くださいませ。

きっと、お役に立てると思いますよ。

何せ、最初に申し上げた通り、誕生日にも色はございますので。


出来れば、贈る相手は、もう少し下の方であってほしかったですが…

年に一度の大切な日には、そうも言っていられませんよね。

でも、ご来店だけなら問題はありませんから、いつでもお越しくださいませ。

またのご来店、おまちしております。



(おわり)

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