誕生色(3月ver)
≪詳細≫
月1で読めるもので誕生石のような有名なものではない何かを書きたいと思って
書きました。
およそ5分くらいになります。
人称変更可
語尾改変可
≪関連作品≫
『誕生色シリーズ』※全12話
≪あらすじ≫
ここは少し変わったお店のよう…
さて、あなたは何をお探し?
≪登場人物≫
店の店主の一人語りで、お客様目線も少しあります。
お声は変えても変えなくても大丈夫です。
絵本を読むようなイメージで読んで頂ければと思います。
≪ 色というのは、私たちにとって、様々な印象を与える欠かせないもの ≫
誕生色(たんじょうしょく)
それは、バースデーカラーとも言うが
誕生日ごとに定められたラッキーカラーのこと。
誕生石や誕生花などより、知名度はないかもしれない。
でも、ちゃんと366日すべてに決められていて、占いでも用いられる。
ここは、そんな色とそれにちなんだ物を取り扱う不思議なお店。
毎年2月同様お客様が多いのですが
3月は1年の中で一番、男性のお客様が増える時期なのです。
そして、そのきっかけは…
あ、ほら。先月のお客様です。
「いらっしゃいませ、お客様」
こちらのお客様は、恋待蕾(こいまちつぼみ)のガラスビーズをあしらった懐中時計をお買い上げいただいた方です。
私が声を掛けると、嬉しそうな、照れているような、可愛らしい笑顔を向けてくださいました。
「無事に想いが伝わったようで、よかったです。今回は、お相手の方のご希望でしょうか?」
私がそう尋ねると、どうして分かったんですか?とすごく不思議そうに尋ねられました。
「毎年、2月と3月は繋がりがあるお客様がいらっしゃいますので。
それに、一緒にいらっしゃる方が、先日の懐中時計を身に着けていらっしゃいますし」
お客様は、納得されたようです。
でも、実は、当店の商品は1点ものなのです。
ご来店された方が、心の底で贈りたいと思っているものが具現化します。
それを、私は、こっそり知ることが出来るのです。
ん?ズルいですか?
でも、そうじゃないとお店が成り立ちませんからねぇ。
この話は、また今度で…
まずは、せっかくご紹介頂いたお客様へお勧めをしなくては。
「お連れ様は、どんなものをお探しなのでしょうか?…なるほど。かしこまりました」
男性のお客様は、お相手にサプライズをしたいので、少し別行動がしたいそうです。
お相手へのプレゼントなのだから、当然ですね。
「では、男性のお客様には、特別なお部屋に入って頂くとしましょう。
女性のお客様には、こちらでティータイムをご堪能いただければと思います。」
ティータイム?と私の言葉を繰り返しながら、不思議そうにしている女性は
何とも可愛らしい。
男性のお客様が、惹かれるのもよく分かりますね。
「えぇ。先月、ご購入いただいた上で、ご紹介もして頂いておりますので
ちょっとおもてなしをさせていただきます。さぁ、どうぞ」
そういうことなら…と、納得してお部屋に入って頂きました。
実は、彼女の入ったお部屋も特別仕様で、きっと退屈はされないと思います。
さて、今度は彼をご案内する番ですね。
「さぁ、どうぞ。ここなら、あなたの望むものがきっと見つかります」
私がそう伝えると、部屋の中に恐る恐る入りながら、展示されている商品を見ていく。
そして、ある物の前で立ち止まった。
「お目が高い。そちらが気になるのですね」
彼が見ていた物は、3月の誕生色である夢宵桜(ゆめよいざくら)色のストールです。
白の糸で桜が刺繍されていて、とても可憐で可愛らしいデザインとなっています。
「この色は、桜と名前に入っていて、ソメイヨシノを浮かべる方も多いと思うのですが、山桜の色なんです。色合いとしては可憐なうすピンクなので、彼女にピッタリかと思います」
そう伝えると、彼は迷わず、お買い上げになりました。
その後、別室に居た彼女と合流し、嬉しそうに帰っていく姿を見て、この仕事をしていてよかったと思わせていただきました。
ん?お代ですか?
もちろん、頂いていますよ。
今回は、女性のお客様のご紹介ということもあり、さらに特別仕様としているのですが…
きっと、文句なしで喜んでいただけるかと。
それにしても、夢宵桜は、春の到来を告げる色とも言われているので、お二人に似合いの色だと思っていたのですが、まさか、ストールになって具現化されてくるとは…
あ、私としたことが…聞かなかったことにしてください。
さてさて、次はどんな方へどんなお色にちなんだものを、おすすめ出来るでしょう。
(少し間をあけて)
色にお困りの方は…そんなに多くはないかもしれませんが
ぜひ、当店をご利用くださいませ。
きっと、お役に立てると思いますよ。
何せ、最初に申し上げた通り、誕生日にも色はございますので。
出来れば、遠い未来でご利用頂きたいものですが…
まだまだ浮かれ気分の続く季節ですから、考えずに使ってしまうものですね。
でも、来店だけなら問題はありませんから、いつでもお越しくださいませ。
またのご来店、おまちしております。
(おわり)
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