誕生色(1月ver)


≪詳細≫

月1で読めるもので誕生石のような有名なものではない何かを書きたいと思って

書きました。

およそ5分くらいになります。

人称変更可

語尾改変可


≪関連作品≫

『誕生色シリーズ』※全12話


≪あらすじ≫

ここは少し変わったお店のよう…

さて、あなたは何をお探し?


≪登場人物≫

店の店主の一人語りで、お客様目線も少しあります。

お声は変えても変えなくても大丈夫です。

絵本を読むようなイメージで読んで頂ければと思います。



≪ 色というのは、私たちにとって、様々な印象を与える欠かせないもの ≫


誕生色(たんじょうしょく)

それは、バースデーカラーとも言うが

誕生日ごとに定められたラッキーカラーのこと。


誕生石や誕生花などより、知名度はないかもしれない。

でも、ちゃんと366日すべてに決められていて、占いでも用いられる。


ここは、そんな色とそれにちなんだ物を取り扱う不思議なお店。


あら…、今日は随分可愛らしいお客様がお店ですね。


「こんばんは。お嬢さん」


目の前に小さくて可愛いお客様。


「今日は何をお探しでしょうか?」


私がそう尋ねると、お客様は、おばあさまへの誕生日プレゼントに髪飾りを探していると答えた。


「そうですか。それでは、この寒椿(カンツバキ)の簪(かんざし)などいかがですか?

 1月の色は赤ともう一つ、想紅(おもいくれない)と言って、雪の中で凛として咲く寒椿の深い紅という色言葉から連想されて、選ばれた素敵な誕生色がありますから」


聞きなれない言葉に、首を傾げられてしまい、慌てて訂正する。


「これは、失礼いたしました。

 誕生月や誕生日に送ると良い色のことです。きっと、着物にも映えると思います」


お客様は不思議そうな顔をしながら『なぜ、おばあさまが着物を着るって分かるの?』と聞きました。


「それは、お客様の身に着けているものに、着物をリメイクしたものがありますから。

 だからこそ、和の誕生色である想紅にちなんだものが良いと思いました」


その後、お客様は赤い寒椿の付いた簪を買って、喜んで帰られました。


お代ですか?きっちり頂いておりますよ。

当店は、少し変わったお客様がお見えになるお店なので、お会計も少し変わっておりまして。


それは、また今度のお話といたしましょう。

さてさて、次はどんな方へどんなお色にちなんだものを、おすすめ出来るでしょう。



(少し間をあけて)



色にお困りの方は…そんなに多くはないかもしれませんが

ぜひ、当店をご利用くださいませ。

きっと、お役に立てると思いますよ。

何せ、最初に申し上げた通り、誕生日にも色はございますので。


出来れば、遠い未来でご利用頂きたいものですが…

若いうちは、喜ばせたい気持ちが勝ってあまり考えずに使ってしまうものですね。

でも、来店だけなら問題はありませんから、いつでもお越しくださいませ。

またのご来店、おまちしております。



(おわり)

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