愛しいのは


【詳細】

 2024年でライターとして3年が経ち、久しぶりにバレンタインに合わせた個人企画を。

 ある10個のタイトルの詩の中から選んで頂いたもので、お話を作成しています。

 今回の詩のタイトル【愛しい】

 推奨BGM:夢路(作:もっぴーさうんど様)

 目安時間:5分程度


 女性のみ ※当て書きのため、性別変更不可

 語尾改変〇 


【あらすじ】

 私にとっての愛しいものは…


ある日、珍しく早くに目が覚めた。

たまには朝日を眺めながら散歩するのもいいか、と思いながら、外に出た。


そして、目の当たりにしたのは、前日の雨で濡れた草木が光り輝く世界だった。

「今日はいい日になりそうだ」と思いながら、辺りを少し散策して家に帰る。


寝室を覗くと、君はまだ、夢の中。


「人は、好きな人の些細な所でも愛おしく思う」なんて言うけれど

確かにその通りだと思う。


私にとっては、君の表情だ。


普段は生真面目で、どちらかというと笑顔が少ない彼。

最初の頃は、どうにか笑顔を引き出せないかと頑張っていたものだ。

でも、時々見せてくれるからこそ、愛しく思うのだと気付いてからは

頑張るのはやめた。

そして、無防備になる寝顔。


本当に気持ちよさそうに寝るから、見ていてこっちまで寝たくなる。


起こさないように、そっとドアを閉めて、朝食の準備をして、

君の好きなものをたくさん用意して、テーブルに並べる。


頃合いを見て、起こそうと思いながら、テレビを見ていると

先程閉めたドアが開いた。


『おはよう』


そう言って、部屋から出てきた君は

まだまだ眠そうな顔をしている。


「おはよう」


そう返事をすると

『機嫌良さそうだね?』と少し不思議そうに言う。


私は微笑みながら、こう答えた。


「うん!愛しいものを見れたから」と。


私にとって、愛しいのは…あなたの全て。



(終わり)


SpecialThanks:天テン様

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