泣き顔を笑顔に


【詳細】

 2024年でライターとして3年が経ち、久しぶりにバレンタインに合わせた個人企画を。

 ある10個のタイトルの詩の中から選んで頂いたもので、お話を作成しています。

 今回の詩のタイトル【泣き顔】

 目安時間:5分程度


 女性のみ ※当て書きのため、性別変更不可

 語尾改変〇 


【あらすじ】

 泣き顔を見せたあとは…


私が初めて見せた泣き顔は

君と離れるのを嫌がる顔だった。


君が私に初めて見せた泣き顔は

私を傷つけてしまったと後悔している顔だった。



どうして、こうなってしまったのだろう。



彼は、この春、仕事の都合で海外に行くことになっていたらしい。

私は海外に興味がないことを知っていて

『一緒には来てくれないだろう…』

そう思っていたそうだ。


そして、2週間前になり、そろそろ言わなくては…と思い

今、話してくれているらしい。


「これから先も一緒に居ると思っていたのに!」


私は、気付けば思いをぶつけていた。

言った言葉は、取り戻せない。


彼の顔を見ると、泣いていた。

私は離れたくないと、自分の都合で怒っているのに

彼は、私のことをいつも考えてくれている。

傷つけてしまった、今、この時も。


泣き顔を見せてしまったことすらも、きっと、後悔しているのだろう。


私は、どうしてこんなに自分勝手なのか…

辛い思いばかりさせていたかもしれない。


だから、私は、彼のためにも…


「いってらっしゃい。

 もし、戻ってきて、気持ちが変わっていなかったら、迎えに来てね」


そう言って、彼を送り出した。


あれから、どれだけの年月が経ったか分からないけど

私は待ち続けていた。


「将来、君は私に泣き顔じゃなく、笑顔を見せてくれるかな?」


なんて、あなたを笑顔で迎えることを夢見ながら。



(終わり)


SpecialThanks:海子 様

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