あの日を想う


≪詳細≫

3.11に合わせた朗読会を聞いて、書きました。

およそ5分くらいになります。


≪あらすじ≫

あの日を忘れないために。


≪登場人物≫

あの日の思い出を思いながら、語る人。



春の陽射しが降り注ぎ

心地よい空気に

周りはお出掛けを始める


そんな中、私は

出掛けることはせず

あの日のことに想いを馳せる


今から12年前

心に恐怖を与える出来事が起こる


当時、いつものように事務所で

仕事をしながらのんびり過ごしていた


だけど、それは突然起きた


ガタガタ・・・ガタガタ・・・


地震大国・日本

その中でも自分が生まれてから

大きな地震が何度も起きている地域


だからこそ、年配の社員は

「これくらいなら、大丈夫だろう」

そう思っていたんだろうし

自分もそれに納得していた


だけど、今回は違った


縦にも横にも揺れている感覚になった

さすがに、年配の社員たちもダメだと思ったのだろう

少し遅いくらいだと言われるかもしれないけれど

社屋の外に逃げるように指示が出る


この時、全員が思っていただろう


『大きな揺れなどたくさん経験してきた』と


だけど、だからこその教訓

それを活かすのか

それとも高を括っているのか


その選択で運命は変わる


落ち着きを取り戻し

事務所に戻ると社長がテレビをつけた


そこから伝わる悲惨さ


『高を括っていなくてよかった』


映っている景色をぼんやりと眺めながら

そう思っていた


あれから年月が経ち、住むところが変わり…

窓から見える咲き誇る桜を眺めながら考える


『あの時の経験が、今の自分を創っている』と


人助け…なんて大それたことは出来ないけれど

それでも…それでも…

出来ることはどんなことでもしたい

繋がれた奇跡を大切にしたい


そして、経験を紡ぎ語る


もう二度と悲劇を繰り返さないように

経験は心に刻み、人へと語り、繋ぎ

よりよい未来へと進むことを願い…


あの日を想う



(終わり)

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