雪降る空に思い出を


≪詳細≫

ふと書きたくなって書きました。

およそ5分くらいになります。


≪あらすじ≫

雪の思い出が嫌いだったけど、時間とともに好きになれたかな。


≪登場人物≫

大切な人を失った悲しみと好きだった相手の優しさを思い出す人。


あの日、あなたが居なくなった…


私はいつものように見送り

あなたはいつものように出て行った。


その時はこれが最後のお別れになるなんて

思ってもいなかった。


その日から、私は何もする気になれなかった。

そんな私を見かねた幼馴染に連れ出される。


雪の降る中、馴染みのある公園に。

夜で誰もいないこの場所に。


ずっと泣いていたのに

幼馴染の前で泣きたくないって思ってた。

弱いところを見せるのが苦手だから。


だけど、そんなことも見透かされて…


『いつまで我慢してるんだよ』


その一言に私は反論しようとした。


だけど、させてはくれなかった。


震える声で聞く…


「どうして…?」


この人はいつもそうだ。


私が辛いと分かっているから

悩みを抱えていると理解しているから


こうして連れ出して

顔を見えないように抱きしめながら

泣くことを催促する。


その優しさに救われて


その優しさに苦しめられた。


雪が降るたびに

あの時のことを思い出す。


あなたにとってはただの慰め。


私にとっては大切で切ない思い出。


あれから時が経ち

ようやく笑い話に出来るようになった。


『大人になったなぁ』なんて言いながら。


これからは、少しだけ雪が好きになれるかな。


切ない思い出を雪に溶かし

大切な人を思い

雪降る空を見上げる。



(終わり)

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