夢で惹かれた、運命の出会い


≪詳細≫

自分にとって、すごく大切になったお話の続きとして書きました。

およそ15分くらいになります。


≪関連作品≫

大好き(男性ver)

大好き(女性ver)

大好き(2人読みver)


≪あらすじ≫

ある日差しの温かい日に出会った男女のお話。


≪登場人物≫

男性:ずっと見ている夢のことを考えている人。

※人称変更は()のみ変更〇


女性:少し前まで見ていた夢のことを、ふとしたきっかけで思い出した人。




男性:春の日差しが暖かく、心地よい季節

男性:ある日、公園でのんびりとしていた。


女性:日差しがぽかぽかで、散歩日和だと思って、近くの公園に来たはいいものの

女性:家族連れが多く、座れるところを探していると、1人の男性が目に留まった。


女性:その人は、空を眺めながら何か考え事をしているようだった。

女性:気になって、思わず声を掛けてしまった。


女性:「あの…どうかしましたか?」

男性:「え?」

女性:「何だか、悲しそうな顔をしていたから」

男性:「…。」

女性:「…ごめんなさい、知らない人に急にこんなことを言われても、困りますよね」


男性:ある夢のことを思い出しながら、空を眺めていたら、女性に声を掛けられた。

男性:何となく、彼女に似ているような気がした。


男性:「あ…その…多分大切だったんだろうなって、人のことを思い出していて」

女性:「多分、なんですか?」

男性:「…昔からよく見る夢があって」

女性:「夢?」

男性:「はい…その人との思い出は、そんなに多くはないんだと思うんです」

男性:「だけど、凄く大切だって気持ちは、目が覚めると絶対に思ってて」

男性:「でも、顔を思い出そうとすると、モヤがかかった感じで」


男性:何故だろう…。

男性:この人には、素直に話せる。

男性:他の人には、信じてもらえないのが分かっているから

男性:話したことはないのに。


女性:「どんな夢だったんですか?」

男性:「え?」

女性:「その見ていた夢の内容」

男性:「…見始めた頃は、楽しく出掛けている感じだったんです」

男性:「最近は、今日みたいな日差しの中、一緒にいる夢で」

女性:「…似ている(小声)」

男性:「え?」

女性:「あ、何でもないです」

女性:「じゃあ、最近見る夢が今日の天気に似ていたから、ここに来たんですね」

男性:「はい」

女性:「…。」

男性:「あの」

女性:「はい?」

男性:「あなたはどうしてこの公園に?」

女性:「何となくですよ。今日は日差しが暖かいから、散歩でもしようかなぁと」

男性:「…やっぱり似てる(小声)」

女性:「どうかされましたか?難しい顔してますけど」

男性:「え?あ、いえ。何でもありません」

男性:「あ、よかったら隣座ってください」

女性:「え?でも…」

男性:「周りは家族連れで、空いている場所は、ここだけだと思いますよ?」

女性:「…じゃあ、お言葉に甘えて」

男性:「むしろ、立って話を聞いてもらってしまって、すみませんでした」

女性:「いきなり声を掛けたのは、私の方ですから、気にしないでください」

男性:「でも、話せて気が楽になりました。ありがとうございます」

女性:「それなら、よかったです(微笑み)」

男性:「っ!」


男性:女性の微笑んだ顔は、あの夢で見た彼女に似ていて

男性:俺(僕)はすごく惹かれた。


男性:それから、彼女と他愛ない話をしながら、公園でのんびり過ごした。


女性:男性の横顔を見ていると、昔、見ていた夢の中の彼に似ているような気がした。

女性:何となく声を掛けてしまったけど、優しい雰囲気で、話していて落ち着くことに気付く。


男性:話していると時間は、あっという間で、気付けば夕方になっていた。


【場面転換】


女性:「あ、すみません。話過ぎてしまって」

男性:「いえ、こちらこそ…あの」

女性:「はい?」

男性:「どこかで会ったことがありますか?」

女性:「え?」

男性:「あなたと話していると、なんだか安心するんです」

男性:「素の自分で居られるというか…」

男性:「今まで、誰にも話せなかった夢のことも、自然に話せて」

男性:「もっと、話したいって思って…だから、その…」

女性:「…じゃあ、私の気になっているお店に付き合ってください」

男性:「え?」

女性:「食事しながら、お話ししましょう」

女性:「私も、あなたになら、話せそうな気がするので」


男性:女性にそう言われ、俺(僕)は嬉しくなった。

男性:この気持ち…前にもどこかで。どこだろう?


女性:この人なら、きっと。

女性:あの人と同じように、優しい雰囲気に溢れる彼なら。

 

【場面転換】

ー お店 ー


男性:「気になっているお店って、定食屋ですか?」

女性:「えぇ。女性1人ではなかなか入りづらいので」

男性:「確かに。でも、よくある定食屋って感じですけど」

女性:「とりあえず、注文しましょうか。」

男性:「あ、そうですね」

女性:「何にしますか?」

男性:「じゃあ、この日替わり定食で」

女性:「私もそれにしようと思ってました」

男性:「じゃあ…すみません、日替わり2つ!」

女性:「あ、ありがとうございます」

男性:「いえいえ。それで、どうしてここが気になってるんですか?」

女性:「…似ているんです」

男性:「似てる?」

女性:「私もあなたと同じ。夢を見ていたことがあるんです」

男性:「え?」

女性:「私が見ていたのは数年前までで。今は全く見なくなりましたけど…」

男性:「そうなんですか」

女性:「今日、あなたを見た時に、夢で見ていた人に似ていると思いました」

女性:「夢の中の人は、悲しそうな、でも、笑顔で…」

女性:「当時の私は、その夢を見る度に辛くて」

男性:「そうですよね」

女性:「でも、時々…こうして食事をしている場面を見て」

女性:「それが、凄くここに似ていたんです」

男性:「だから、気になっていたんですか?」

女性:「えぇ。入れば何か思い出すかなぁと思って」

男性:「実際、どうですか?」

女性:「そうですね…少し、心が温かくなった気がします」

男性:「そうなんですか?」

女性:「はい。何となくですけど」

女性:「夢で見たあの人に、似ているあなたと一緒だから、かもしれません」

男性:「実は…俺(僕)も、同じことを思っています」

女性:「え?」

男性:「俺(僕)の夢に出てきたあの人とあなたが似ていたから」

男性:「だから、親近感というか…話しやすいと思ったんだと思います」

女性:「そう、なんですね」

男性:「今日はなんだか、いい夢が見られるような気がします」

女性:「ふふっ(笑)私もです」


男性:この出会いは運命だと直感で思った、なんて

男性:誰にも信じてもらえないかもしれない。

男性:だけど、それでもいい。

男性:彼女に信じてもらえるなら。


女性:すごく不思議な感覚だった。

女性:数年見ていなかった夢が、現実となったと思った。

女性:きっと、誰にも信じてもらえない。

女性:だけど、それでもいい。

女性:彼に信じてもらえるなら。


(少し間をあける)


男性:「あぁ、またお前(君)に逢えた」

女性:「今度は、ずっと一緒だから」

男性:「あの時は言えなかったけど」

女性:「あの時は聞けなかったけど」

男性:「今度はちゃんと伝える」

女性:「今度はちゃんと聞かせて」


(間をあける)


女性:『大好き』


男性:『大好き』



(終わり)

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