幼馴染は心配性~ 高校生編 ~


≪詳細≫

元々、別のサイトに書いていたものを抜粋して書き足したものです。

およそ10分くらいになります。


≪関連作品≫

幼馴染は心配性~ 社会人編 ~


≪あらすじ≫

頼ることを知らない幼馴染の雪を心配して家に押し掛ける隼。

雪に勉強を教えていると…


≪登場人物≫

隼(しゅん):雪の幼馴染、心配性。

雪(ゆき):隼の幼馴染、頼るのが苦手。



隼:今日は、数日前に弟が怪我をして

隼:しばらくその面倒を見るために学校を休んでいる幼馴染の家に来ている。

隼:俺の幼馴染は昔から、人の世話はめちゃくちゃやるのに

隼:自分が困っている時や大変な時は人に頼れない。

隼:今日だって、俺が無理やり、家に押しかけているようなものだ。


雪:「隼(しゅん)お待たせ。はい、お茶」 

隼:「さんきゅ。どう?弟の様子は」

雪:「大丈夫、すごく元気だよ。ちょっと骨を折って歩けないだけだから」

隼:「そっか。雪(ゆき)は大丈夫か?」

雪:「うん?大丈夫だよ?」

隼:「そっか…どの教科、教えればいいの?」

雪:「?えっと…とりあえず、数学だけ教えてくれればいいよ」

隼:「わかった」


(少し間を開ける)


隼:「で、この公式をここに当てはめて、それで出た答えを…」


雪:あれ…なんか、頭がボーっとする。


隼:「雪、わかった?」

雪:「う、ん。あり…が…」

隼:「雪!」


(少し間を開ける)


雪:「ん…」

隼:「雪?分かるか?」

雪:「あれ?あたし…」

隼:「疲れが溜まってたんだろ。いきなり倒れたんだ」

雪:「そうなんだ。ごめ…!」


【隼が雪を抱きしめる】


雪:「隼?(焦り)ちょっと…」

隼:「お前、無理しすぎなんだよ」

雪:「…。」

隼:「なんで頼ってくれないんだ?」

雪:「えっ?何、いきなり…」

隼:「俺は、お前が心配なんだよ…」

雪:「隼?どうしたの?なんか、変だよ?」

隼:「俺…こういう流れで言うのは嫌だって思ってたけど…」

雪:「ん?何?」

隼:「俺…お前が好き(照れ・小声)」

雪:「え?」

隼:「だから…俺はお前が好き、なんだよ。

隼: 幼馴染としてだけじゃなくて、一人の女として」

隼:「俺と付き合ってください」

雪:「隼…」

隼:「雪は俺のこと、どう思ってる?」

雪:「あたしも…好き…」

隼:「え?」

雪:「だから、あたしも隼が好き」

隼:「ほんとに?」

雪:「こんなことで、嘘つかないよ…」

隼:「じゃあ、俺と付き合ってくれる?」

雪:「こんなあたしでよければ…」

隼:「俺は、雪がいいんだよ!」

雪:「ありがとう(照れ)それより…いい加減離して?(苦笑)」

隼:「あ…ごめん(苦笑)」


【そっと、雪から離れる】


雪:「いいよ。でも、びっくりした」

隼:「なんか、無性に抱きしめたくなって(照れ)」

雪:「でも、嬉しいから…許す(笑顔)」

隼:「そっか(照れ)」

雪:「ねぇ、隼」

隼:「ん?」

雪:「隼はいつから好きなの?私のこと」

隼:「中学の時…かな?最初は雪のこと、ただの幼馴染だと思ってた。

隼: でも、俺を庇って大きな怪我をして入院したことがあっただろ?」

雪:「あぁ…あの頃の隼って、活発で、猪突猛進って感じですごかったもんね(苦笑)」

隼:「あの時、雪が俺のことを庇って怪我をして

隼: 当たり前だけど親にめちゃくちゃ怒られてさ…」

雪:「そっか…」

隼:「でも、それよりも、雪が居なくなるほうが怖いと思った」

雪:「それがきっかけ?」

隼:「そうだな。雪が目を覚まして、日常生活も問題ないって聞いた時、本当に嬉しかった」

雪:「そういえば…あの時、隼はすごく泣いてたね(苦笑)」

隼:「あぁ…嬉し泣き。

隼: でも、恥ずかしすぎて強がって『泣いてない!』って言ったの覚えてる」

雪:「言ってたね(苦笑)」

隼:「でさ、雪が『そっか。隼は笑顔がいいよ』って言ったんだ。その時の顔が、その…」

雪:「何?」

隼:「すげー、可愛かったから(照れ)」

雪:「そう?」

隼:「あぁ…それで雪が気になった」

雪:「隼…ほんと、可愛い」

隼:「はぁ?」

雪:「ふふっ。…隼。私はずっと、隼が居なくなるのは嫌だと思ってた」

隼:「だから、庇った…のか?」

雪:「うん。最初は弟みたいな感じだと思ってた。でも、違った」

隼:「うん?」

雪:「きっかけは、私もあの時のことだと思う。

雪: 病院で目が覚めた後、隼の姿を見て、ホッとしたし

雪:『あぁ、隼が怪我をしてなくてよかった』って思った」

隼:「なんだよ、それ」

雪:「だって、生まれてから家も隣で、ずっと一緒で。

雪: これからもずっと一緒だと思ってたのに、隼が居なくなるかもって思ったら、怖くて。

雪: 気づたら、庇ってた(笑)」

隼:「普通、それは男が女にすることな気もするけど」

雪:「そうかもね(苦笑)でも、私はそれだけ隼が大切だし、あの時から大好きだから」

隼:「…それズルい」

雪:「そう?」

隼:「本当に、お前は昔から…」


【隼、雪を抱きしめる】


雪:「隼?!」

隼:「やられっぱなしは、性(しょう)に合わないんだよ」

雪:「何よ、それ…」

隼:「嫌?」

雪:「ううん」

隼:「ならよかった…雪、好きだ」

雪:「うん、私も」

隼:「あのさ…」

雪:「ん?」

隼:「これからは、もっと俺を頼れよ?」

雪:「うん、分かってる」

隼:「約束だからな?」

雪:「うん。今日みたいに隼に心配かけたくないから。

雪: ちゃんと言う。だから、隼も言ってね?」

隼:「雪が、ちゃんと言うようになったらな。お前は自分を後回しにするから」


雪:私の幼馴染…彼氏は凄く心配性だ。

雪:これからもこれは変わらないんだろうけれど

雪:ずっと一緒に居られるなら、このままでもいいのかも。と思ったのは秘密。


 

(終わり)

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