届かない(目線違い)


≪詳細≫

想いを寄せている人へ届かない気持ちを書きたいと思って書きました。

およそ5分くらいになります。


≪関連作品≫

届かない


≪あらすじ≫

想いを寄せている人へ届かない気持ち。


≪登場人物≫

相手に想いを寄せているけど、言えない気持ちを持っている人。



君はいつも甘え上手

私は甘え下手で誤魔化してばかり


食事に行く時も

買い物をする時も


一緒に居る時は

いつも私任せ


君が甘えてくれるから

いつも通りで居られる


食事に行けば、取り分けたり

飲み物の量を見ながら声をかける

買い物に行けば、君の見たいところに行く

どんな時も素で居られる


だけど、甘えたり頼ったりしないから

いつか嫌われるんじゃないかと

怯えることもある


『大切に想われている』


この気持ちが独りよがりのようなものだと分かった時

私はどうなるんだろう


いや…実際、独りよがりのようなものだ


『大切に想われたい』

『特別で居たい』


わがままで自己満足で…

だけど、もし許されるなら…


いつか…

君に触れる日が

触れてもらえる日が来るのかなぁ


いつだったか

君が誰かにしていたように


頭を撫でてほしい…

抱きしめてほしい…


今夜だけは、と

聖夜に降る雪に託して

想いを一夜限りでこっそりと吐き出し


淡い期待を持ちながら

やっぱり甘えられない自分に苦笑しつつ

いつものように改札で別れる


そして、私は笑顔でこう言うんだ


「メリークリスマス」

「また、今度ね」


君も笑顔で同じことを言う


笑顔で別れれば

そのあとはいつもと同じ


SNSでの

心地よいやり取りが続く


心地よいからこそ

この想いは

きっと届かない



(終わり)

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