不思議な花屋


≪詳細≫

ちょっとした会話の中で生まれた話。

イメージBGMとしてもっぴーさうんど様の『素敵な想い』を推奨させていただきます。


性別不問

人称変更〇

語尾改変〇


≪あらすじ≫

とある場所にある花屋。

でも、ちょっと普通の花屋とは違う。

それは…


≪登場人物≫

花屋:お店の店主。

   年齢や性別は好きなイメージで。



ー ここは、とある場所にある一軒の花屋 ー



私はこの花屋を1人で切り盛りしている。

理由は簡単。

一人一人のお客様に対して、きちんと向き合いたいから。


何より、この花屋は少しだけ普通の花屋とは違う。

どこが違うかって?

それは…あ、お客様がいらっしゃった。


「いらっしゃいませ。どのようなお花をお探しですか?」


私は、最初にお客様の求めているお花をお聞きする。

それは普通だと思うかもしれないけど、

私が聞いているのは花の種類と

その方がその花に込めたい気持ちを聞く。


「なるほど。あなたにとって、その方は特別なのですね」


今回のお客様は、大切な方への感謝を込めたいらしい。


「ピンクのバラとカスミソウの花束と…ちょっとこちらに手をかざしてもらえますか?

 あと、その方への感謝の気持ちを強く思い描いてください」


私の言葉に首を傾げながら、お客様は何もない作業机の上に手をかざす。


「ありがとうございます。お客様の純粋なお気持ちが形になりました」


そう言って、私がお客様に差し出したのは、

ホワイトレースフラワーを閉じ込めたビーズを中心に

ローズクォーツと水晶で作ったブレスレット。


「不思議でしょう?この店でしか出来ないんですよ(微笑み)

 こちらも一緒にお渡しされるといいですよ。その方をきっと守ってくださいます。

 だって、あなたの感謝の気持ちが、たくさん詰まっているのですから」


ホワイトレースフラワーは、華奢なレースに花姿が似ている所から

名前がついたと言われているけれど、花言葉には「感謝」もある。

理由は、ヨーロッパで古くからハーブとして使われていて、その活躍ぶりから、らしい。

そして、ローズクォーツの石言葉は「慈愛」「優しさ」

水晶は「純粋」「無垢」という石言葉と石本来の効果に「浄化」がある。

大切な人への感謝と、その方のこれからの幸せを願うような気持ちが伝わる。


「このお店は、ただの花屋ではありません。

 お客様のお探しのお花と、その想いを形にするお店です。

 お代は、花束の分だけです。

 ブレスレットは、お客様の気持ちを借りて出来たものですから」


だから、私は一人でやっている。

お客様の想いをきちんと受け止め、形にするために。


「お客様の想いの強さで、出てくるものが違います。

 アクセサリーが出るか、石が出るか…

 それは、お客様次第です。

 なので、想いを込めたい時は、ぜひ当店をお選びください。

 またのお越しをお待ちしております」


ここは、とある場所にある一軒のちょっと不思議な花屋。

さて、次はどんなお客様の想いを形に出来るのか、

私は楽しみにしながら、今日もお店を開ける。


(終わり)



SpecialThanks:寿瀬 様

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