1粒のチョコに隠した気持ち


≪詳細≫

以前書いていたものの、続きをこっそりと書きました。

およそ10分くらいになります。


≪あらすじ≫

バレンタインにほかの人と違い1粒のチョコをあげる理由は…


≪登場人物≫

ヒロ:カナの幼馴染で片想いしている男性。

カナ:ヒロの幼馴染で片想いしている女性。



ヒロ:バレンタインデー

ヒロ:毎年恒例ではあるけど

ヒロ:付き合ってからのほうが

ヒロ:今年も貰えるかなぁと不安を募らせる


カナ:毎年恒例のイベントだけど

カナ:付き合ってからのほうが

カナ:喜んでくれるかなぁと

カナ:不安を募らせる


ヒロ:「おはよ、カナ」

カナ:「おはよう、ヒロ」


ヒロ:幼なじみでずっと片思いをしていた。

ヒロ:付き合えたのは2年前。

ヒロ:今、考えると適当な告白だったなぁと改めて思う。


【2年前】


ヒロ:「今日、バレンタインデーか」


ヒロ:幼なじみのカナは優しくて気遣いが出来る

ヒロ:そして、毎年仲の良い人には必ず手作りを配っている。

ヒロ:だけど…。


ヒロ:「なんで、僕は毎年既製品のチョコ一粒なのか」

カナ:「ん?何か言った?」

ヒロ:「いや…」

カナ:「そう?」


カナ:実は…独り言、ちゃんと聞こえていたんだよね。

カナ:ヒロに手作りをあげないのは

カナ:迷惑かなと思っているから。

カナ:ヒロは優しくて誰にでも気さくだから

カナ:学生時代、クラスでも人気だった。

カナ:だから、毎年『チョコ食べる?』って

カナ:何気なく言っていた。


ヒロ:今年も言えなかった…。

ヒロ:ただ一言『手作りが欲しい』と言えばいいのに

ヒロ:それが難しい。

ヒロ:そして、きっと今年もカナはこう言う。


カナ:「チョコ、食べる?」


ヒロ:やっぱりなぁ…。


ヒロ:「うん」

カナ:「はい、どうぞ」

ヒロ:「っ!ありがとう」


ヒロ:…今年は違った。

ヒロ:いつもの一粒チョコと一緒に

ヒロ:綺麗にラッピングされた箱があった。


ヒロ:「あのさ…」

カナ:「ん?」

ヒロ:「チョコくれたし…」

カナ:「え?」

ヒロ:「前からカナが好き」

カナ:「…本当に?」

ヒロ:「うん。ずっとカナからの手作りもらえるのを待ってたくらい」

ヒロ:「でも、ズルいよね」

カナ:「そう、だね」

ヒロ:「だよね…でも、気持ちに嘘はないから」

カナ:「ありがとう」

カナ:「今年は勇気を出して手作りを渡して正解だったかな?」

ヒロ:「今年は?」

カナ:「だって、ずっとヒロのこと好きだったから」

ヒロ:「え?」

カナ:「でも、ヒロはモテるから学生時代は迷惑かな…って」

ヒロ:「え…じゃあ、ずっと一粒チョコだったのって」


【現在】


カナ:あれから2年。

カナ:ヒロは、何かある度に

カナ:私のことを好きって言ってくれる。


ヒロ:ずっと思ってきた気持ちが通じた。

ヒロ:あの時は、ズルかったと今でも思うからこそ

ヒロ:カナのことを好きだと伝えるようにしている。


カナ:「周りがどう思ってるか分からないけど、私の方がヒロのこと好きだから」

ヒロ:「じゃあ、お互い大好きってことで」

カナ:「そうだね」

カナ:「チョコ、食べる?」

ヒロ:「もちろん!」



(終わり)

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