特別な夜の贈り物
≪詳細≫
クリスマスをテーマに書きました。
およそ10分くらいになります。
≪あらすじ≫
クリスマスのデートで、買い物をする二人。
プレゼントが用意出来ていなかった彼氏は…
≪登場人物≫
★:男性
☆:女性
★:僕は今、かなり悩んでいる。
★:「う~ん…こっち?」
★:「あぁ…いや、こっちもなぁ」
☆:「そんなに悩む?」
★:「悩む!だって、どっちも似合うし…」
☆:「それは嬉しいけど(苦笑)」
★:僕は今、彼女と買い物に来て
★:『どっちの色がいいかなぁ?』と
★:定番の質問をされて悩んでいる。
★:本当にどちらも似合うから悩む…
☆:ちょっとした気持ちで彼に質問をして
☆:まさか、ここまで悩まれるとは思わなかった。
☆:「…ねぇ?」
★:「待って!今、決めるから…」
☆:「(笑)ねぇってば」
★:「ん?」
☆:「好きな色はどっち?」
★:「え?好きな色?」
☆:「そう。
☆: この2つどっちの色が好き?」
★:「う~ん、僕はこっちの色かな」
☆:「じゃあ、こっちにする」
★:「え?」
☆:「だって、どっちも似合うんでしょ?」
★:「うん」
☆:「それなら君の好きな色を付けたい」
★:「…(あっけに取られる)」
☆:「じゃあ、買ってくるね」
★:「あ、うん」
★:彼女の何気ない一言にドキドキする。
★:彼女がレジに向かった後
★:彼女の選ばなかった方を見つめながら
★:そんなことを思っていた。
☆:彼は本当に可愛いと思った。
☆:直感で答えてくれてよかったのに
☆:真剣に悩んでくれることが嬉しかった。
☆:「お待たせ」
★:「ううん」
☆:「次はどこに行こうかなぁ?」
★:「少し、休みながら決めたらいいんじゃない?」
☆:「そうだね。じゃあ、カフェに行こっか」
★:「うん」
【カフェ】
★:「ふぅ~」
☆:「付き合わせてごめんね」
★:「別に謝らなくていいよ?
★: 僕も楽しいし」
☆:「楽しいの?
☆: 買い物付き合ってるのが?」
★:「うん。君の好きなものとか知れるし」
☆:「まぁ、私が見たいところに行ってるからね」
★:「何より一緒に居れる」
☆:「それはそうなんだけど…
☆: 折角のクリスマスなのに
☆: こんなにわがまま言っちゃって」
★:「だからこそだよ」
☆:「え?」
★:「クリスマスだからこそ
★: 普段の君が言わない
★: わがままを聞くことが出来る」
☆:「(苦笑)」
★:「本当は普段からもっと言ってくれても
★: いいんだけどね?」
☆:「それは…」
★:「分かってるよ」
★:「だから、今日くらいは遠慮なくどうぞ」
☆:「え?」
★:「クリスマスっていう
★: イベントを理由にして
★: どんどんわがままを言って?」
☆:「(苦笑)何?それ」
★:「今日の僕はサンタクロースとして
★: 可愛い彼女のお願いを聞こうかと」
☆:「(微笑み)ありがとう」
★:「どういたしまして(微笑み)」
☆:彼の優しさが本当に嬉しい。
☆:これからもきっと、イベントを理由に
☆:甘えてしまうだろうけど
☆:彼にだけなら許されるかなぁ。
★:彼女は甘え下手だけど
★:そこも可愛いと思ってしまうのだから
★:僕は相当、彼女に甘いのだろう。
★:普段、甘やかしてもらっている分
★:こういう時は甘やかしたい。
★:「そろそろ行こうか」
★:「ずっとここに居ると遅くなるし」
☆:「そうだね」
【帰り道】
☆:「本当に冷えてきたねぇ」
★:「そうだね…あ」
☆:「ん?どうかした?」
★:「渡し忘れる前に…これ」
☆:「え?…あ、これさっきのお店の包装」
★:「うん。さっき悩んでたやつ」
★:「前もって準備出来てればよかったんだけど」
☆:「ううん、ありがとう。嬉しい」
★:僕はクリスマスプレゼントの準備が
★:出来てなかった。
★:用意しようとはしたけど
★:目移りして、決められなかったから
★:今日、彼女が買い物したいと言った時
★:その時に彼女の好みを再確認しながら
★:何を買うか決めることにした。
★:そして、あの時彼女が選ばなかった方を買った。
☆:差し出された綺麗にラッピングされたプレゼント。
☆:あの時、悩んでいたのはこういうことかと思った。
☆:思わぬサプライズに驚いたし、何より嬉しかった。
★:「よかった…」
☆:「じゃあ、私も」
★:「え?」
☆:「はい、これ。どうぞ」
★:「ありがとう」
★:「暖かそう。今、使ってもいい?」
☆:「え?あ、うん」
☆:寒がりな君に
☆:何を渡そうか悩んだけど
☆:喜んでもらえてよかった。
★:彼女からのプレゼントは手袋。
★:僕の好みをよく知っている
★:素敵なプレゼント。
★:「うん。暖かい」
☆:「よかった」
★:「あ、そうだ!」
☆:「ん?…っ!」
★:「ぎゅーっ!どう?暖かい?」
☆:「…うん(照)」
★:「僕ばっかり、暖かくなるのもよくないし(いたずらっぽく)」
☆:「もう…」
★:「ねぇ」
☆:「ん?」
★:「好きだよ」
☆:「私も…好き」
☆:「これからも傍に居てね?」
★:「もちろん」
★:「絶対離さないから」
(終わり)
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